株式会社ビーウェル|大亀 雄平

採用基準に、学力も出身校も関係ない。社会で生きるためにはコミュニケーションが必須。デジタルよりもリアルな関係を心がけてほしい。

加速するデジタル時代において、若い世代のコミュニケーション不足がささやかれています。人との関わりがスマホ1台で済んでしまう一方で、「対面して話す関係が大切」と、ビーウェルの大亀代表は警鐘を鳴らします。そこで今回は、若いビジネスパーソンや学生たちに向けて、社会を生き抜くためのヒントをお聞きしました。

大亀雄平(おおかめ ゆうへい):1982年、兵庫県宝塚市出身。大阪市立大学在学時に株式会社ビーウェルを創業。これまで約2万人の大学生と関わり、就活生の支援、企業とのマッチングなどを行なう。2019年、C2Cプラットフォームを活用したサービス「KOREC」を設立し、有能な韓国人学生のグローバル採用もサポート。

学力や地位で人を区別しない価値観

─大亀さんはどんな学生生活を過ごされたのでしょうか

教育熱心な家庭だったので、特に小学校の高学年は勉強漬けでした。スポーツも好きだったので水泳は得意で全国大会レベルまで頑張りましたね。でも残念ながら、肝心の中学受験に失敗してしまい、結局は近所の公立中学へ行きました。中学では一転して、まったく勉強しなくなり、やんちゃな仲間と遊ぶようになってしまった。というのも、小学校の塾通いで、すでに中3までのカリキュラムを終えてたんですよ。勉強漬けだった日々からの開放感もあったかもしれない(笑)。

─学生時代に学んでよかった、あるいは現在に活かされた経験はありますか

人に対して平等な価値観を持てたこと。私は学力や能力で人を区別しないんです。中学時代は“やんちゃ”な仲間が多く、私自身も遊びに夢中でした。逆に高校は進学校だったので、その後に東大や京大などへ進んだ友人が多い。どちらも私の仲間も大切だし、今でも様々な場面でお付き合いがあります。これは、小学生から勉強させられつつも、中学受験に失敗したからこそだとも思う。この振り幅のある交友関係は、改めて教育熱心だった親のおかげでもありますね。

英語ができない=日本でしか戦えないということ

─素晴らしいというか、経営者としても理想的な価値観ですね。では、逆にもっと学んでおくべきだったと思うことはありますか

当時はまったく思わなかったんですが、間違いなく英語は学んでおくべきでした。日本語しか話せないこの状況に、とても恐怖を感じてるんです。仮に1年間の自由が許されるとしたら、今からでも100%語学留学します。

「英語ができれば、いま以上にコミュニケーションが広がる。旅行ですら出会いやビジネスチャンスが増えますよね」

─恐怖というのはどういう意味でしょうか

現在の私が、グローバルビジネスをしてるのはもちろん理由の一つ。ただ、それだけではないんですね。英語が話せないだけで、結局は狭い日本でしかビジネスできないことになる。それは機会損失もですが、純粋にもったいないじゃないですか。学生時代に1年でも留学しておけば、ある程度の土台はできたと思うんです。これを読まれてる若い方には、ぜひ留学をおすすめします。

生き抜くためのリアルなコミュニケーション

─「超20代」は、特に学生たちや若い世代に届けるメディアです。彼らに伝えたいことがあればメッセージをお願いします

現在、私は学生向けの講演会を行なってます。毎月そこで必ず伝えることが、「リアルがいちばん大切」です。現代は、YouTubeやネット検索、SNS、恋愛すらもデジタルの時代。しかし、すべての物事の本質は絶対にリアルなんです。人の感情や想い、その裏側にある心理までは、デジタルだけでは掴みきれないと伝えてます。

─確かに、SNSもLINEも操作してるのは感情を持った人ということですね

おっしゃる通りです。あらゆる面でリアルを知っておかないと、どこかで人生の選択を間違えかねない。人と会うことに臆病にならないよう、できる限り外へ出てほしいと思います。SNSやLINEで繋がってる=友だちではなく、一緒に食事したり、時には家に泊まったりもする。

私は学生と関わる機会が多く、年々リアルから遠ざかる彼らに危機感を持ってます。語学力はともかく、コミュ力がなかったら社会ではアウトです。ネットの中だけで勝てたとしても、海外でプレゼンできるようなレベルでは戦えないと思う。学生までに身につけるスキルとしても、リアルのコミュニケーションは意識してほしいですね。

学歴も経歴も関係ない。必要なのは人間力

─大亀さんは、学生を含めてどのような人材を採用されてますか

弊社はウェルカムな体制なので、希望者は基本的にほぼ採用してます。新卒採用はしてませんが、インターン生を何人でも採っていいと伝えてあります。弊社は学生のサポート事業ですし、知見を学ぶ場所としても提供したいんです。営業やマーケティング、イベント運営など、各々が好きなことを学んでますよ。

「インターンを終えて就職した中には、『やっぱりビーウェルで働きたい』って、戻って来る人もいますよ(笑)。そう思えるほどの労働環境を作れたと自負してます」

─インターンの時点でスクリーニングを掛けるなども行なってないのでしょうか

私は人をスキルや学歴で判断しません。見るのは人間力のみですね。スキルは後から身に付けるものなので、学力や卒業校なんて役に立ちませんよ。そもそも学生が持つスキルなんて誤差でしかないし、そもそも若者に求めること自体が間違い。一流大卒が10年後もすごいとは限らないし、目標に取り組む人なら高卒だっていずれ化けますから。本気で挑戦したい人は、ぜひ弊社まで問い合わせてみてください。

─中学受験に失敗し、遊びに夢中だった3年間。学生時代の環境のおかげで、人を分け隔てなく付き合えるようになった大亀さん。様々な人と話し、食事へ行き、一緒に過ごしたからこそ、コミュニケーション能力がついたと話してくれました。“社会で生き抜くためにはリアルが大切”。大亀さんの言葉どおり、SNS時代ほどリアルで生き抜く力を磨いた者が勝つのだろう。

社名株式会社ビーウェル bwell co.,ltd.
住所本社  〒542-0081 大阪市中央区南船場 3-7-27 NLC 心斎橋 3F
事業所 〒150-0011 東京都渋谷区東 3-9-19 VORT 恵比寿 maxim11F
代表大亀 雄平
設立2006年10月
Webhttps://bwell.jp/
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