株式会社 NATTY SWANKYホールディングス|井石 裕二

若いときはどんな仕事をするかは気にしなくていい。最後までやり切る力をつけておけば、その後に出会う「やりたいこと」で必ず結果を出せる

餃子居酒屋のパイオニアとして、全国131店舗(2023年4月時点)を展開する肉汁餃子のダンダダン 。学生時代どう過ごし、どんな思いで事業を立ち上げたのか。株式会社NATTY SWANKYで代表を務める井石 裕二氏に、働く上での大切な指標を聞いてみた。

どんな仕事でも真剣に取り組む姿勢が重要

─井石さんはどのような学生時代を過ごされたのでしょうか

勉強もスポーツも特に打ち込んだということもなく、淡々と過ごした感じですね。一応、大学にも入ったのですが、意味を見出せなかったので中退してますし。ただ、学生時代からアルバイトは熱心に取り組んでいて、どんな職種でも楽しく働いていました。働くこと自体が好きだったようで、これまでに仕事が嫌だと思ったことは一度もありません。

─なにか具体的な仕事のエピソードがあればお聞かせください

例えば、水産加工場でのアルバイトは、鮎にひたすら串を刺すという内容でした。一見すると単純作業なので、つまらないと思えばそこまでの仕事にすぎません。ただ、私は思案や工夫が好きで、「いかに早く串を刺せるか」とか「どう刺せば見た目がきれいなのか」を楽しむわけですね。常に仕事の早い先輩や同僚を観察して、技術を盗みつつ自分なりにアレンジしていました。もともと仕事の面白さや、楽しさを見いだすことが得意だったのかもしれないです。

─仕事そのものを楽しむという思考は、長期的なキャリア形成にも繋がりそうです

誰もが1日は24時間で平等ですから、思考停止で働くなんてもったいないです。好きなことなら打ち込めるという意見もありますが、それは間違っていると思います。どんな職種であれ真剣に取り組んでこそ、好きな仕事でも成果を出せるのです。それはどの業界でも同じだし、弊社のスタッフたちを見ても確信できます。

働き方として選択した事業の立ち上げ

─起業はいつ頃から考えていたのでしょうか

はじめて起業という選択肢が浮かんだのは高校生の頃です。ただ、当初は「これがやりたい」という展望や大きな志があったわけではありません。おそらく転勤族だった父を見て、私にはこの働き方は無理だと思ったのでしょう(笑)。与えられた仕事をするよりも、自分が形として生み出すような働き方に興味がありました。

─大学の中退後から起業までの間はなにをされていたのでしょうか

友人からの誘いもあり、一度だけIT系の会社に就職した経験があります。完全な未経験の業界でしたが、負けず嫌いもあって独学で知識をつけていきました。アルバイト時代と同様、楽しさを見出すのはこの仕事でも活かされたと思います。その後、ITでの起業も考えたのですが、周りにいた猛者たちを見て冷静に断念しました。

「決められた枠の中で働くより、自分ですべてを決めて働く起業が向いていた」

─最初に手がけた事業についてお聞かせください

餃子ではなかったですが、はじめての業態も飲食業でした。きっかけは、通っていたラーメン店で働く田中(現NATTYSWANKY副社長 田中竜也氏)と仲良くなったことです。話してみると彼にも独立志向があり、それなら一緒にやろうと事業を立ち上げました。

─すでに130店舗を超えているダンダダンの今後の計画については

引き続き「肉汁餃子のダンダダン」を全国に展開していく予定です。ただ、むやみに出店する考えではなく、地域に長く愛されるお店として一歩ずつ成長していきます。また、餃子は様々な国でも認知されてますから、タイミングをみて海外へも挑戦したいですね。

やりたいことに出会うよりも最後までやり切る力が重要

─この記事を読んでいる、若い人たちへのアドバイスをお願いします

2つあります。まず、コミュニケーション能力は鍛えておいたほうが良いです。仕事というのは職種を問わず、人と関わらずには成立しません。たとえ個人でビジネスをするとしても、取引先やお客様は必ず存在します。そこでの気配りは関係性にも影響しますし、仕事においては特に重要です。。

もうひとつ、やり始めたことは最後までやり切ること。大切なことは何をするかではなく、投げ出さずにやりきる粘り強さです。私自身も、学生時代のアルバイトは職種に関係なく真剣に取り組んできました。その積み重ねが現在の知識やスキルに繋がったと確信してます。人生で出会うすべての仕事に通用しますので、ぜひやり切ってみてください。

「好きなものに出会うまでに、力とスキルを積み上げておくことが成果に大きく影響する」

─最近では、やりたいことが見つからないという若い世代もいます

先ほども言いましたが、好きな仕事なら続けられるという考えは間違いです。仕事というのは、好きな職種でも辛いことや困難を避けては通れません。ですから、結果を出した人は多くの困難を乗り越えたということになります。それは好きだからではなく、物事をやり切る力があったから乗り越えられたのです。いつか出会う好きな仕事のためにも、やりきることを意識しておくと良いと思います。

何をするかを探すより、始めたことをやり切ることが大切。やりたいことが見つからない世代にとって、井石氏の考え方はひとつの指針となるのではないだろうか。

会社名株式会社 NATTY SWANKYホールディングス
住所東京都新宿区西新宿1-19-8 新東京ビル7階
代表井石 裕二
設立2001年8月1日
Webhttps://nattyswanky.com/
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