メディカルローグ株式会社|野口 宏人

未熟な20代こそ失敗なんて恐れなくていい。働くことで経験値を積み重ねていけば、スキルや人間性は自然に磨かれていく。

日本の明るい未来のために、アナログだった医療のデジタル化を推進するメディカルローグ株式会社。医学研究アプリの開発シェアトップを走る野口宏人CEOに、20代のヒントとなる話を聞いた。

デジタル化による新しい医学研究を実現

─まず、野口さんが手がけている事業についてご説明ください

日本の医療は、様々な研究を重ねながら進化と発展を遂げてきました。そして医学研究を進める上で、欠かせない要素のひとつが被験者(患者)のデータになります。しかし、実情はデータの取得がアナログで、非効率な側面が多く感じられました。そこで弊社のアプリやシステムによってデジタル化を図り、新しい医学研究をサポートしています。

─具体的な事例があればお願いします

インフルエンザのために行われている医学研究を例にご説明します。ある年の資料によると、25の施設で4700名ほどの被験者データを取得していました。一方で、弊社のアプリを利用したところ、たったの1施設で1万人を超えるデータが集まったのです。このように、アナログだった仕組みをデジタル化することで、医療の進化をより高めることができます。また、ICT(情報通信技術)の活用によって、施設と被験者における双方向のコミュニケーションが可能なため、より精度の高いデータを取得できます。

稼ぐために働きづめだった学生時代

─野口さんは、どのような学生時代を過ごされたのでしょうか

大学生のころはアルバイトに明け暮れていました。私は経済的に親の支援が受けられなかったので、学費を自分で稼ぐ必要があったのです。毎日のように居酒屋で働き、深夜はレンタルビデオ店のスタッフも掛け持っていました。さらに、その合間に警備員や短期バイトなど、とにかく稼がなくてはという日々に追われた学生時代でした。

「大学時代は学費と生活費のために働いて遊んだ記憶がほとんどない(笑)」

─学生時代に様々なアルバイトを経験したことで、得たものもあったのではないでしょうか

居酒屋では学生店長を経験したことがあります。しかも単なるバイトリーダーという立ち位置ではなく、シフト管理から売上の管理まで多くのことを学びました。小さい規模ではありましたが、いま思えばインターンシップにも似た経験だったと思います。

壁にぶつかりながら学んだ20代

─では、これまでに後悔や失敗したことなどあればお聞かせください

はじめの就職先では営業を1件も取れず、持っていた自信が完全に打ちのめされました。学生時代に店長を経験していたので、自信と過信を勘違いしたことが原因です。これではまずいなと、もう一度ゼロから学びなおしてスキルを積み上げていきました。

─起業されてからの失敗もありましたか

最初に手がけた事業は失敗しました。ちょうど医療機器メーカーの退職を決めたころ、中国人のヘッドハンターから医療ツーリズム(医療観光)の誘いを受けたんですね。中国には日本で医療を受けたい人が大勢いるらしく、大学病院に接点のあった私に声を掛けてきたわけです。ただ、大学病院の受け入れ先を確保したにも関わらず、結果的に中国からの患者はゼロに終わってしまった(笑)。もちろんパートナーにも責任はありますが、相手をじっくり見極めなかった私にも問題がありましたね。

失敗が許される若いうちに挑戦してスキルを磨く

─これから社会に出る人や若い世代に向けてアドバイスがあればお願いします

とにかく若いときは恐れず行動すべきだと思います。「失敗したらどうしよう」とか、「スキルが未熟だから・・」なんて考える必要はありません。そもそも社会経験が少ないわけですから、スキルなどなくて当たり前なんですよ。若いときこそ失敗が許される時期でもあるので、やってみたいことはどんどん挑戦したほうが良いです。

─仕事を選ぶときのポイントはありますか?

就職先のビジョンに共感できることが重要ですね。例えば私の場合は、「医療の明るい未来をつくる」というビジョンに賛同できる人を採用基準にしています。ですから、気になる会社のビジョンに共感できるのであれば、スキルや知識は働きながら向上させれば大丈夫です。

「そもそも経験値がない若い人は、未熟であることを恐れてはいけない」

─では、働く上で大切なアドバイスがあればお聞かせください

取り組んでいる仕事から逃げないことです。私は営業が苦手にも関わらず、就職先でテレアポを経験したことがあります。当時は、電話をかけ続ける毎日にうんざりしてましたが、次第に声のトーンで感情を理解したり、クロージングできるようになりました。ですから、一度決めた仕事は一定の成果が出るまでやってみることが大切です。

─簡単に「辛い=向いてない」を判断すべきではない

その通りです。やりたいことだけで済む仕事など世の中にはありません。やり切ってみて、違うと思えばやめればいいし、本当に向いていないなら転職したっていい。私は過去にデザイナーになろうとしたのですが、まったく向いていなかったので諦めました(笑)。けど、私は若いときはそれでもいいと思うんです。あらゆることを経験し、決めたことをやり切ってみてください。やり切る力は「決めたことを正解にする力」でもあるので、必ずその後に関わる仕事にも活きてきます。

─すべては経験の中で培ったスキルと在り方が重要ということですね。素敵なエピソードとメッセージをありがとうございました。

会社名メディカルローグ株式会社
住所東京都港区元赤坂1丁目7番18号 メットライフ元赤坂イースト107
代表野口 宏人
設立2015年5月18日
Webhttps://m-d-l.co.jp/
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