必ず来るターニングポイントの選択で、人生の大半は決まってしまう。どちらを選ぶかは自分次第。大切な仲間の選択は絶対に間違えさせない。
学生や若い世代はこれから人生を作っていきます。描きたい人生を持つ人がいる一方、周りに流されてしまう人もいるかもしれません。前者は苦労があるかもしれませんが、後者はさらに後から苦しい思いをする可能性があります。そこで当記事では、高校生から自身のキャリアを作り、現在も活躍を続ける株式会社BACKSTAGEの溝口勇児さんに話をお聞きします。
溝口勇児(みぞぐちゆうじ):1984年、東京都足立区生まれ。高校在学中からフィットネスクラブのトレーナーとして活動。2012年にヘルスケアベンチャーFiNCを創業。プロ野球選手、プロバスケットボール選手、芸能人の体づくりにも携わる。2020年、スタートアップをサポートする株式会社WEIN GROUPを創業。2022年、ファンコミュニティを構築する株式会社BACKSTAGE創業。現在は格闘技イベントBreakingDownのCOOとしても活躍中。
尖っていた性格が、ビジネスパーソンとしての成長を加速
─溝口さんの学生時代や若い頃、いわゆる早い段階で学んで良かったと思うことはありますか
再現性の是非はともかく、結果的に成長速度が上がった経験があります。実は、私は学生時代からあまり敬語を使いませんでした。少し先に生まれただけで、なぜ先輩は偉そうにしてるんだと。それは社会に出ても変わらず、トレーナーになっても基本的にはタメ口でした。今でこそ正しくないのは理解してますが、結果的には尖った性格が良い作用を生んだと思っています。
─尖った性格が良い作用を生んだとはどういう意味でしょうか(笑)
尖ってる私への目が厳しいんです。敬語を使わない若者が、さらに仕事もできないなんて許されないじゃないですか。しかも私は先輩も年上も関係なく、物事をはっきり指摘する性格なんですね。時間の使い方から手順や段取りなど、問題があればかなり厳しく言う。当然のように、生意気な溝口はどうなんだという目で見られるわけです。
社会生活の土台となる自信を早めに身につける
─突っ張ったおかげで、結果的に手を抜けない状況が自分の成長を加速させたと
私自身、偉そうにしていたこと、生意気だったことへの自覚は当然あります。だからこそ常に緊張感を持っていたし、結果的に仕事の熟練度を加速させたんです。尖るからには、「早く自分を昇華させなければいけない」という危機感を常に持っていました。
「敬語は相手を敬う言葉なので、当時の私が一般的に正しくないのは理解してます。それが間違いだったとしても、結果として成長を加速させてくれたのも事実なんです」
─それは現在の自信にも繋がっていますか
繋がってます。しかも、自信は若い頃に身に付けるべきだと思うんです。自信があるからこそ、早い時期から自分らしく生きてこれたと確信しています。例えば、私の自信の形成ポイントはスポーツと喧嘩が強かったこと。先日も、誰もが知る経営者がテーブルを叩き、暴言を吐かれたメンバーが震え上がっていました。ただ、私にはなんの落ち度もないので、淡々と普通に対応できる。どんなことでも良いので若い時に自分なりの自信をつけるのが良いと思います。
常に最善を選択して挑み続けた。後悔は一つもない。
─では、反対に学んでおけばよかったと思うことはありますか?
それは難しい。仮に後悔があったとしても、そのおかげで今があるわけですから。例えば、私は筋肉や骨の解剖学をほとんど暗記し、トレーナー関連の資格も10個ほど持っています。独学ですが、体育大出身者と比較しても圧倒的に知識があるんですね。当時は自分なりに考えて、一流のトレーナーとして結果を出すために学びました。
今となってみれば、その勉強を経営に関連させたほうが良かったと言えるかもしれません。ただ、その知識のおかげで姿勢の悪さや腰痛、膝痛の悩みを改善し、たくさんの方に喜んでいただいた実績がある。当時の自分にとっては最善の選択だったので、後悔とは思えないですね。
正解だと知っている選択から逃げるツケは大きい
─では、当メディアを読んでいる学生や、若いビジネスパーソンへのメッセージをお願いします
私が常に言うのは1024という数字。まず、1024という数字は2の十乗ですね。人生における無数の選択肢において、大きなものだけでも10個はあります。どの大学に行くか、どの高校に行くか、どの会社に就職するか、あるいは転職するか残留するか。どちらを選ぶかによって大きく未来が変わります。結果、自分がなりたい未来に対し、選択した道筋は1024通りあるということなんです。
─確かに10個の選び方によっては、自分が望む未来に限りなく近づける気がします
そういう意味では、人生一つも自分の思い通りにならないなんてあり得ないんです。仮に、何ひとつたどり着けなかったとしたら、おそらく正解とわかっていた選択から逃げたのだと思います。惰性や自分の弱さ、周りと違うことを恐れたなど、楽な選択に流されたのではないでしょうか。まったく望んだ人生ではない場合、自ら人生の舵を逸らせてしまったのだと思います。
「大学へ行きたいけどお金がない。そう気づいたら、狂うほど勉強して奨学生になるか、すべての時間を使って学費を稼げば良いだけ。それが人生の大きな選択ということです」
─若いから焦らなくて良いではなく、すでに未来への大きな選択は始まってるということですね
その通りです。大きな選択だけでも1024通りの未来がありますし、その選択の総和が人生だと思ってます。さらには何を食べ、どこに住み、誰と過ごし、どこで働き、お金や時間をどう使うのか。これらもすべて選択だし、その過去の総和が今日の自分です。今の人生に納得しない人が、これまでと同じ意思決定したらどうなるのか。100%この先も同じ未来しか待っていません。学生や若い人たちにとって、どう社会に出るのかは大きな選択の一つ。ぜひ、後悔のない未来を作るためにも、“人生は選択の総和”を意識してほしいと思います。
尖っていた頃は、目上の人に対する接し方が良くなかった─。しかし、「仕事で圧倒的な結果を出せば、誰も文句は言えないだろう」の覚悟が結果的に成長を速めたそうです。溝口さんからは、「なんでも良いので若いうちに自信をつけてください」とアドバイスをいただきました。溝口さん、貴重なお話をありがとうございました。
会社名 | 株式会社 BACKSTAGE |
住所 | 東京都港区海岸1丁目4-22 SNビル |
代表 | 溝口勇児 |
設立 | 2021年 |
Web | https://backstage.inc/ |